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陸上短距離のパフォーマンスと腸腰筋の関係

 

 

腸腰筋とは何か?

 

腸腰筋とは、大腰筋という筋肉と腸骨筋という筋肉の総称のことを言います。

 

 

この腸腰筋は膝を前に引き出して、腿を挙げるために働く筋肉です。この腿を挙げる動作を股関節の屈曲と言います。

 

 

 

 

そして、この腿を前に引き出す役割を担う腸腰筋は、速く走るために非常に重要な筋肉として、陸上競技のトレーニング現場で名が知られるようになっています。

 

 

 

腸腰筋とスプリントパフォーマンスの関係

 

久野ほか(2000)の研究では、この腸腰筋を構成する大腰筋の横断面積(太さ)と、100m走のパフォーマンスとの関係を調べています。

 

 

その結果、陸上短距離選手は一般学生と比較して大腰筋の横断面積が1.5倍も大きく、大腰筋が太いほど100m走のパフォーマンスが高かったことが分かりました。

 

 

この大腰筋は陸上だけでなく、全力疾走を伴うサッカーやバスケットボール選手でも、より発達していると言われています(星川ほか,2006)。

 

 

このように、高いスピードで走るためには、大腰筋が発達していることが重要であろうことが分かります。

 

 

では、なぜ走りにおいて股関節を屈曲する腸腰筋のサイズが重要なのでしょうか?

 

 

人は走っている時、接地位置に対して、体重を前に素早く運んでいます。速く走るということは、接地中に身体が高いスピードで前に進むことを意味します。

 

 

接地中に身体が高いスピードで前に進むと、接地している足部は、相対的に高いスピードで後ろに取り残されてしまいます。いわゆる、足の流れというものです。

 

 

しかし、相対的に高いスピードで取り残されようとしている脚をそのままにしておくと、足は流れっぱなしで次の接地に向かうことができません。

 

 

なので、後ろに高いスピードで流れる、取り残される脚を、強靭な股関節屈曲筋力を発揮する事で、すぐに前に引き出してあげる必要があるわけです。

 

 

 

 

速く前に進もうとすればするほど、その分足が後ろに速く取り残される。その脚を腸腰筋を使って強力に、即座に前に持ってくる。これができないと高いスピードで走ることはできません。

 

 

このような理由から、速く走るためには腸腰筋が大事だと言われているわけです。

 

 

 

腸腰筋のトレーニング方法

 

腸腰筋のトレーニングには、以下のようなものが挙げられます。

 

・マシンヒップフレクション
動画のようなトータルヒップというマシンで、負荷をかけてトレーニングできます。骨盤が後傾しないように、脚の付け根部分から動かすことを意識しましょう。

 

 

 

・バンドウエイトヒップフレクション
マシンが無い場合は、台にあおむけになり、片膝を挙げる運動を繰り返します。足首に重りを付けるなどして負荷を調節します。つま先にケトルベルなどをぶら下げるのもアリでしょう。

 

 

 

 

・ハードルサイドステップ

 

 

ハードルを横向きで素早くまたいでいきます。空中で膝を素早く入れ替えるイメージで多く行いましょう。

 

 

 

腸腰筋に負荷をかけるためには、全力疾走をすることが有効なことは間違いありません。

 

 

ですが、それだけだと刺激が不十分になってきます。そうなると別のことをやってトレーニングをしていく必要が出てきます。

 

 

ウエイトなどを用いて腸腰筋に大きな負荷をかけることはなかなか難しいですが、このようなトレーニングを地道に行いながら、より強い腸腰筋を育てていきましょう。

 

 

 

参考文献

・久野譜也, 金俊東, & 衣笠竜太. (2001). 体幹深部筋である大腰筋と疾走能力との関係 (特集 スポーツにおける体幹の働き). 体育の科学, 51(6), 428-432.
・星川佳広, 飯田朝美, 村松正隆, 内山亜希子, & 中嶋由晴. (2006). 高校生スポーツ選手の競技種目別の大腰筋断面積. 体力科学, 55(2), 217-228.




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