
長距離ランナーにとって高重量でのウエイトトレーニングは
などの効果があり、持久パフォーマンスの向上が見込めます。したがって、長距離走のような持久系スポーツの選手であっても、ウエイトトレーニングによって爆発的なパワー発揮能力を向上させることが重要です。
しかし、シーズン中は疲労が残るから、走る練習に集中したいから…という理由で、ウエイトトレーニングをやめてしまう選手がちらほらいます。
シーズン中であっても、ウエイトトレーニングは継続すべき
例えシーズン中であってもウエイトトレーニングは継続した方が良いと言えます。
なぜなら、ウエイトトレーニングで鍛えた能力が落ちてしまうからです。トレーニングをやめたら、元に戻りやすいのは当たり前です。
Karstenほか(2015)の研究では、持久トレーニングと並行してウエイトトレーニングを6週間行うことで、5000mのタイムが向上したが、その後6週間ウエイトをやらずに持久トレーニングのみしたら、パフォーマンスがやや低下してしまった(元に戻った?)ことを報告しています。

持久トレーニングのみでは、スプリント能力に関わるような最大筋力や、その土台となる筋肉量を維持することが難しくなったり、それに伴ってランニングエコノミーも低下してしまう可能性は高いと言えます。
最大筋力やスピードは、トレーニングの残存効果が比較的短いため、定期的に刺激を入れる必要があります。シーズン中であっても、週に1回以上はトレーニングプログラムに組み込むようにしてみましょう。
参考文献
・Karsten, B., Stevens, L., Colpus, M., Larumbe-Zabala, E., & Naclerio, F. (2016). The effects of sport-specific maximal strength and conditioning training on critical velocity, anaerobic running distance, and 5-km race performance. International journal of sports physiology and performance,11(1), 80-85.