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本当のタバタトレーニングとその効果(実践動画)

本当のタバタトレーニングとその効果(実践動画)

タバタトレーニングとは、20秒程度の高強度運動と10秒程度の短い休息を6〜8セットほど繰り返すトレーニングです。間欠的高強度トレーニング(High intensity interval training: HIIT)とも呼ばれている、最近話題のトレーニング。

 

このページにたどり着いたということは、皆さんタバタトレーニングって何なのか?どういう効果があるのか?どういうやり方が正しいのか?などの疑問も持っているはずです

 

そこでここでは、この「タバタトレーニング」の正しい認識について、以下の点から紹介していきたいと思います。

 

タバタトレーニングとは?

先述の通り、タバタトレーニングとは20秒程度の運動を10秒ほどの休息を挟んで繰り返す、高強度間欠的トレーニングです。このトレーニングが生まれた発端は「タバタ」の生みの親とも言える研究者の田畑泉先生のある実験によるものとされています。

 

その実験というのが、最大酸素摂取量の170%という高強度運動を、20秒間×6〜7回、10秒休息で繰り返すトレーニングをしたところ、総運動時間が比較的短いにも関わらず、大きなパワーを発揮するのに重要な「無酸素性の作業能力」と、パワー発揮の持久性に関わる「有酸素性の作業能力」の両方が大きく改善されたというものです(Tabata et al.,1996;Tabata et al.,1997)。

 

※研究プロトコル

・「最大酸素摂取量の170%のペダリング運動を20秒間、10秒休息で6~7セット行うトレーニング」と「最大酸素摂取量の220%の強度のペダリング運動を30秒間、2分休息で3~4セット行うトレーニング」でのエネルギー動態を比較したところ、無酸素性のエネルギー供給系の指標である最大酸素借には差が無く、前者のトレーニングでは酸素摂取量が最大酸素摂取量まで到達していた((Tabata et al.,1996)。

 

・「最大酸素摂取量の170%のペダリング運動を20秒間、10秒休息で6~7セット、週4回行うトレーニング」と「最大酸素摂取量の70%の強度のペダリング運動を60分週5回行うトレーニング」で、6週間のトレーニング効果を比較したところ、どちらも最大酸素摂取量が10%増加した一方、前者では最大酸素借も40%近く向上していた(Tabata et al.,1997)。

 

この研究を皮切りにして、上記のような全力に近い運動を短い休息でつないで繰り返すようなトレーニングには、大きなトレーニング効果があるんじゃないか?と、海外で広まることになったと言われています(田畑,2015)。

巷で蔓延るタバタ風トレーニングとの違い

さて、タバタトレーニングと聞いて、皆さんがイメージするのはどのようなトレーニングでしょうか?おそらく、多くの人は以下の動画のようなイメージが持たれていると推測されます。

 

関連動画(この動画では30秒運動10秒休息を繰り返しています)

 

 

しかし、本来タバタトレーニングの元となった研究では「400mを全力疾走するくらいの運動強度」で、トレーニングがなされていることに注意しなければいけません。

 

この運動強度とは、最大酸素摂取量の170%といわれる強度であり、ほぼ全力に近い運動です。具体的には、6セット目くらいで最大心拍数の(220-年齢:拍/分)の90%に達するような運動です(20歳なら180拍/分程度)(田畑,2015)。

 

そのような運動強度でトレーニングすることで、色々なスポーツのパフォーマンスに深く関連する「無酸素性の作業能力」や「有酸素性の作業能力」の大きな改善が見られているわけです。決して、腕立て伏せや簡単な補強運動での大きな効果が保障されているわけではありません。

 

実際に、タバタトレーニングの生みの親である田畑泉先生は自身の書籍でこう述べています。

 

タバタトレーニングの効果を発揮するためには6〜8セットで「疲労困憊」になる必要があります。1回行えばその日は同じ強度の運動はもうできないくらいでやる必要があります。なので、欧米のブログなどでしばしば書かれている「タバタを3回やった」というのは、きちんと理解されていないと言えます。

 

田畑泉(2015)究極の科学的肉体改造メソッド:タバタ式トレーニング.扶桑社.

 

本当のタバタトレーニングの姿

では、その最大酸素摂取量の170%で6〜8セットで疲労困憊になる運動とは、実際どのようなものになるのでしょうか?そのイメージを持ってもらうために、この記事の筆者が実際にタバタトレーニングをしている動画をご覧ください。

 

負荷は1.5kp(キロポンド)で20秒ペダリングー10秒休息を8セット実施しています(本来の実験プロトコルではそのデータの客観性の担保のために170%VO2maxの運動強度を一定に保ち、その強度を保てなくなった時点を「疲労困憊」と定義した上で実施されていますが、こちらの動画では最初から170%VO2max以上の強度でトレーニングしています。悪しからず。)。

 

参考動画

 

ご覧の通り、トレーニング後はとても歩けたものではありません。20分ほど床でのたうち回ることになるほどです。こちらが本来のタバタトレーニングに近いイメージです。分かって頂けたでしょうか?

自分の目的に本当に合っているか?

とにかく最近流行っているからタバタトレーニングやってみよう、何か効果がありそうだから、やってみよう…では、時間と労力の無駄になってしまう場合があるかもしれません。

 

タバタトレーニングで改善が見込めるのは、無酸素性の作業能力と有酸素性の作業能力という、いわゆるエネルギーを生み出す能力、生み出し続ける能力です。

 

これは、陸上競技の短距離、中距離、長距離種目や、競泳、スピードスケートなど、大きなパワーを持続的に発揮することが求められるスポーツのパフォーマンスに大きく貢献するものです。
また、同じようにスピードや持久性が求められる激しい球技系のスポーツのパフォーマンス向上にも効果が見込めるはずです。

 

一方で、そんなに持続的なパワー発揮は必要ない競技種目では、いくらしんどいタバタトレーニングをやったとしても、そのトレーニング効果が自身の専門のスポーツのパフォーマンスUPに繋がるかどうかは微妙なところでしょう。例えば、パワーリフティングやゴルフと言ったスポーツになります。

 

「ただ流行っているから、効果が高そうだ、何か良さそう」という理由ではなくて、本当に自分に必要なトレーニングなのか?を考えた上でトレーニングを選びましょう。

タバタは痩せる運動なの?

「タバタトレーニングはダイエット効果が高い」と、いろいろなメディアで騒ぎ立てられています。しかし、これについても田畑泉先生は以下のように述べられています。

 

そもそもタバタトレーニングは短時間で済むものなので、脂肪はそれほど燃焼しません。そのため、「タバタトレーニングで脂肪が減った」というエビデンスはないというのが現実です。タバタトレーニングはあくまでも「最大酸素摂取量や最大酸素借を高めることで身体能力を高める」ことを可能にするトレーニングです。その結果日々の生活が活発になり、副次的に痩せることもあるかもしれませんが、それはあくまでも「元気になったことでよく動くようになった」結果なのです。

 

田畑泉(2015)究極の科学的肉体改造メソッド:タバタ式トレーニング.扶桑社.より抜粋

 

ただ、このような高強度の運動だと、以下の理由から痩せるために得られるメリットも多いのではないか?と考えられます。

 

 

運動後過剰酸素消費

高強度運動を行った後は、筋肉内のエネルギー源を回復させたりするのに必要な酸素が、運動時に必要な酸素とは余分に取り込まれることが分かっています。これを、運動後過剰酸素消費(EPOC)といいます。

 

 

この時に消費される余剰のエネルギーは、ゆっくりとしたランニングやウォーキングと言った運動では得られません。したがって、高強度運動の方が効率的にエネルギーを消費できるかもしれないということです。

 

とはいえ、「ゆっくりとした運動を多量やった方がエネルギー消費量を増やすのに効率が良い人がいる(性格的に)」などの、デメリットもあるので、よく考え実施しましょう。

 

 

UCP(ミトコンドリア脱共役タンパク質)

UCP(ミトコンドリア脱共役タンパク質)は、筋肉でエネルギーを消費して熱を生み出すタンパク質として知られています。このタンパク質は、筋肉の中の「速筋線維」という場所に多く存在していると言われています(石井,2015)。

 

そして、このタバタトレーニングのような高強度運動では、効率的に速筋線維を刺激できることから、このUCPを増やすのに一定の効果があると考えられるでしょう。

 

ゆっくりとしたランニングばかり行っていると、遅筋線維ばかりが発達して、逆にUCPは少なくなってしまうとも言われている(石井,2015)ため、ダイエットしたい、そして冷え性を改善したいという人にとってタバタトレーニングは、有用なのではないでしょうか?

 

 

高強度運動の方が食欲が抑えられるかも?

ゆっくりとした運動よりも、タバタトレーニングのような高強度運動では、その運動後の食欲が抑えられやすいということが考えられます。以下の研究(Sim et al.,2014)は、各運動後の食欲や実際の食事での摂取エネルギーを調査したものです。

 

 

このように、高強度運動の後の方が食欲を抑えられるかもしれない…という結果が出ています。激しい運動後は食欲が失せてしまう…というのは経験的にも頷ける人が結構多いのではないでしょうか?必ず痩せるとは言い切れませんが、食事の管理と組み合わせることで、タバタトレーニングはダイエットに有効な面が多いように感じられます。

 

タバタ風のトレーニングは別に否定されるべきでは無い

なんだか巷で行われている「タバタ式トレーニング」を否定しているような論調になってしまいました。

 

しかし、ここで否定しているのは「巷のタバタ風トレーニング」が、ものすっごい効果がある、研究でそれが明らかにされている!という認識であって、簡単な補強運動を短い休息で繋いだやり方を否定しているわけではありません。

 

そこに明確な目的があるなら何ら問題はありません。運動強度がたとえ低くても、ダイエット目的で、健康づくりの目的で、短時間で身体を鍛えたいという人であれば、それはとても良いトレーニングだと判断できます。

 

スポーツ選手であっても、局所的な筋持久力を高めるために、局所的なトレーニングをタバタ形式で実践するのならそれもアリでしょう。何にしても、そこに合理性と必然性があれば、否定されるべきトレーニングなどこの世には存在しないはずです。

参考文献

・Tabata, I., Nishimura, K., Kouzaki, M., Hirai, Y., Ogita, F., Miyachi, M., & Yamamoto, K. (1996). Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO2max. Medicine & Science in Sports & Exercise, 28(10), 1327-1330.
・Tabata, I., IRISAWA, K., KOUZAKI, M., NISHIMURA, K., OGITA, F., & MIYACHI, M. (1997). Metabolic profile of high intensity intermittent exercises. Medicine & Science in Sports & Exercise, 29(3), 390-395.
・田畑泉(2015)究極の科学的肉体改造メソッド:タバタ式トレーニング.扶桑社.
・石井直方(2015).石井直方の筋肉の科学.ベースボール・マガジン社.
・Sim, A. Y., Wallman, K. E., Fairchild, T. J., & Guelfi, K. J. (2014). High-intensity intermittent exercise attenuates ad-libitum energy intake. International journal of obesity, 38(3), 417.

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