いくら知識が大事だ・・・と言えども、世の中にはいろいろな情報が氾濫しています。その中から自身にとって本当に有用な情報を取り出すには、それなりのスキルが必要です。そのスキルの一つが「情報の客観性を吟味できること」です。
客観性とは、端的に言うと、「物事の関係性や考え方に対して、誰かの思い込みがどれほど取り除かれているか」を表すものです。例えば、以下の図のようなコメントは客観性がとても低いと言えます。そのコメントの根拠が非常に乏しいからです。

このような架空の人が言ったコメントであれば「それは本当か???」と誰でも疑うことができそうですが、実際の生活においてその情報の客観性の高さを吟味するのはとても難しいはずです。なぜなら、ヒトは「何を言ったか?ではなく、誰がどういう風に言ったか?」で物事を判断してしまう面があるからです。
自分の知らない人がいくら的確なアドバイスをしてくれたとしても、その人の競技力が自分よりも圧倒的に低かったとしたらどのように感じるでしょう?おそらく一定数は「なんか良いこと言ってそうだけれど、信用していいのかな…?」と不安感、不信感を抱いてしまうはずです。
一方で、一流選手や著名人が放った自信満々なアドバイスに対しては、そのアドバイスの意味をよく理解していなくとも「なるほど!」と、納得してしまう、傍から見ても異様な説得感がまとわりついてしまうことが多いです(被助言者のモチベーションを高めるという点では、効果的と言えますが)。
これは、ヒトが物事を判断する基準を「何を言っているか?」という内容についてではなく、「誰が言っているか?」「どんな風に言っているか?」に設定しているからです。そのため、競技力の高い人や、自信ありげに物事を話す人の発信する内容は、大きな影響力を持ちやすいと考えられます。

しかし、それでは「問題が解決しそうな気分」「パフォーマンスが上がりそうな気分」になれたとしても、問題解決の本質には迫ることができません。本当に自分にとって意味のある行動をとるためには、本当に自分にとって意味のある情報を得る必要があるはずです。
したがって、情報の内容を吟味することはもちろんのこと、客観性に注意した情報収集を心がける必要が出てきます。そこで、情報収集の際に気を付けるべきポイントを2つだけ紹介してみます。
経験談に注意
それは経験談なのか?多くの人に当てはまる普遍的な情報なのか?に着目して情報を得る、議論をすることは大切です。「私はこれで上手くいった。だからあなたもこれで上手くいくはず。」…のような理屈は、一見正しそうにも思えてしまいます。しかし、その方法はその人だけにしか当てはまらないかもしれないし、他の人には逆に害を与えてしまうやり方かもしれない可能性は拭えません。
他人の経験談は非常に役に立つことはあるはずですが、その場合は「何でそれがその人にとって上手くいったのか?」を、その人のトレーニングや体格、環境などの背景(個別性)を基に考えることが重要です。それができれば、他の人にも応用可能な考え方が見いだせるケースもあるでしょう。
しかし、それができない経験談は、あくまで経験談として捉えておくべきです。
認識の差に注意
話の内容を正確に相手に伝えることはとても難しいです。例えば何気ない会話では、以下のようなことが良く起こっています。

実際の話の意図を、完璧に相手に伝えることは難儀です。このサイトの記事を読んでくれてらっしゃる皆さんと、この記事を書いている管理人の認識にも、必ずズレが生じています(ズレが大きくならないような努力はしています)。これは、人それぞれの読解力の差があったり、不足した情報部分を無意識のうちに自分の経験で補完しているからだと考えられます。
ヒトは物事を自分の都合の良いように解釈して、正当化するプロです。なので、本当に自分の問題を解決するための情報を得るためには、「認識の差」に注意して、自身に対して批判的に、そして詳しく聞く、話す、読み込むことが重要です。