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4×100mリレー(4継)のバトンパス意識と練習方法

4×100mリレー(4継)におけるバトンパスの重要性

このページで分かること
  1. 4×100mリレー(4継)におけるバトンパスの重要性
  2. 4×100mリレー(4継)のルールを理解しよう
  3. バトンパスのコツ(走り出し方、渡し方)
  4. オーバーハンドパスとアンダーハンドパスの特徴とコツ
  5. バトンパスの精度をチェックする方法
  6. バトンパスのトレーニングと注意点
  7. 参考文献

陸上短距離で最も盛り上がると言っても過言ではないのが「リレー種目」です。特に4×100mリレーは、チームの名だたるスプリンターが勢ぞろいすることによるスピード感、非常に高いスピードでバトンをつなぐという緊迫感が魅力的な種目です。

 

この種目では、個々のスピードのみならず、バトンパスの技術や走順(オーダー)による戦術が大きく関わるため、ただ足を速くするトレーニングだけをやっていてはなかなか成績を伸ばすことができません。

 

そこでここでは、以下の4点について紹介していきます。

 

・バトンパスの練習前にまず知っておくべきこと
・バトンパスの種類とその特徴、コツ
・バトンパスの精度をチェックするトレーニング方法
・バトンパスが上手くなるためのトレーニングとその注意点

 

参考動画

 

4×100mリレー(4継)のルールを理解しよう

4×100mリレーの練習をするにしても、まずはそのルールを知っておかなければ話になりません。

 

 

テークオーバーゾーンでバトンパス

4×100mリレーのバトンパスは「テークオーバーゾーン」の中で行わなければ、失格となってしまいます。

 

 

テークオーバーゾーンは30mあり、次の走者はテークオーバーゾーン内から走り始めることができます。
※このテークオーバーゾーンを示すラインを踏んだ状態から走り始めると失格となってしまうので注意しましょう。

 

なので、受け手がテークオーバーゾーンを示すラインを踏んで待っていたり、ラインの外で待っていたりするといけません。必ずライン内で待って、走り出すようにしましょう。

 

そして、次走者の走り出しの目安としてレーン上にチェックマークを貼ることができます。前走者が走ってきて、チェックマークを通過する瞬間を見計らって次走者がスタートを切り、ゾーン内で無理なくバトンパスを完了できるように、チェックマークの位置はあらかじめ調節しておかなければなりません。

 

 

ゾーン内かどうかは、バトンの位置が基準になる

バトンパスがゾーン内で行われたか否かについては、バトンの位置を基準に決められます。なので、バトンパス開始時に、バトンがゾーン外にあったり、またはバトンパス完了がゾーン外になってしまうと失格です。

 

 

受け手にバトンが触れる=バトンパス開始

受け手にバトンが触れた瞬間から、バトンパスが開始されたとみなされます。選手同士がバトンを渡そうと、手を伸ばしたりしていても、受け手がバトンに触れていなければ、バトンパスは始まっていないことになります。

 

また、受け手がバトンに触れた時からバトンパスは開始されているので、受け手がテークオーバーゾーン内にいても、手を伸ばしてバトンに触れた時のバトン位置が、ゾーンより外だと失格です。

 

 

受け手がバトンを単独で握っている状態になる=バトンパス完了

受け手が単独でバトンを握っている状態になると、バトンパスが完了したとみなされます。渡し手と受け手がバトンに同時に触れている状態は、まだバトンパスが完了していないことになります。

 

そして、バトンパス完了までにバトン位置が、テークオーバーゾーンから外に出てしまうと失格です。

 

 

 

バトンを落としてしまった時は?

バトンパスが完了していない時は、渡し手が拾って、落としたところまで戻って、再度渡す

バトンパスが完了していなければ、必ず渡し手がバトンを拾って、次の走者にバトンパスを再度行う必要があります。渡し手が、バトンを落とした人になるからです。リレー競技では、バトンを落とした人がバトンを拾わなければなりません。

 

バトンパスが次の走者に1度触れていたとしても、それはまだバトンパスが完了していないので、渡し手が取りに行きます。この時、他の選手の妨害になったり、走る距離が短くなるなど、チームに利益が出ない限り、渡し手はレーンの外に出ることができます。

 

 

バトンパスが完了していれば、受け手が拾って、落とした所から走り出す

一方、バトンパスが完了した後、バトンを落としてしまった時は、受け手がバトンを取りに行きます。受け手が、バトンを落とした人になるからです。

 

この時も、他の選手の妨害になったり、走る距離が短くなるなど、チームに利益が出ない限り、渡し手はレーンの外に出ることができます。バトンを渡し終えた後、レーンの外に出ても失格にはなりません。ただし他の選手の妨害になったとみなされると失格になります。

 

したがって、バトンパス完了後、渡し手は出来る限り自分のレーンにいる、マイルリレーの場合は速やかにトラックから出るようにしなければなりません。

 

 

他のチームのバトンを拾ってあげるのはダメ

他のチームがバトンを落としてしまった時、親切にそのバトンを拾ってあげてはいけません。他のチームのバトンを拾ってしまうと、拾ってあげたチームが失格になります。

 

関連記事

・落としても戻れば失格にならない?陸上短距離バトンパス、リレー種目のルール

 

 

バトンパスのコツ(走り出し方、渡し方)

受け手のバトンパスのコツ

距離感を見計らって走り出す

バトンを受け取る選手は、渡し手が急激な減速を起こさないように、距離感を見計らって走り出さなければなりません。走り出しの目安になるチェックマークを貼って、練習をしながら微調整をしていきます。自分のスパイクで何足長分のところがピッタリ合うか、予めチェックしておきましょう。

 

 

 

スムーズに走り出す構え方

スタートが得意な選手

スタートが得意な選手であれば、普段のスタンディングスタートと同じように、思い切り加速をして、普段通りの100m走の加速の中でバトンを受け取れるようにしてみましょう。

 

 

 

スタートが苦手

スタートが苦手な場合は、前走者を待っている時の足幅を少し狭くして、前足から倒れ込むように、無理なく加速するのも一つの手です。この場合、加速はどうしても遅れるので、やや早いタイミングで動き出せるようにチェックマークの位置を調節しておきましょう。加速が遅れてしまっても、「できるだけ高いスピードに達した状態でバトンパス」できればそこまで大きな問題にはならないので、テークオーバーゾーンをフル活用して、弱点を補える工夫を凝らしてみましょう。

 

 

 

チェック距離間を優先

前走者を待っているときに、上体を前に倒した状態だと、チェックマークの位置(前走者との距離間隔)が分かりづらくなってしまうことがあるようです。この場合は、チェックマークをやや高い位置から見下ろせるような姿勢で待機して、前に倒れ込むように加速していくようなスタート方法も使えます。

 

 

 

渡し手のバトンパスのコツ

とにかくバトンパスし終えるまでスピードを緩めない

渡し手は、とにかくバトンパスの最後の最後までスピードを緩めてはいけません。気を抜いてしまうと、バトンパスがまだ完了していないのに減速してしまい、思わぬバトンミスにつながってしまう可能性があるからです。

 

「渡った!」という感触がきちんと得られるまで、走り抜ける、次の走者を追い越すつもりで走りましょう。

 

オーバーハンドパスとアンダーハンドパスの特徴とコツ

バトンパスには大きく分けて、「オーバーハンドパス」と「アンダーハンドパス」の2つがあります。

 

 

オーバーハンドパス

オーバーハンドパスの特徴

オーバーハンドパスは、受け手が腕を高く挙げ、渡し手がそこにバトンを押し込む、または乗せるようにしてパスをする方法です。このパスの利点には以下のことが挙げられます。

 

・利得距離が長く取れる。
・視線を前に向けたまま渡せる。

 

関連動画(オーバーハンドパス)

 

 

オーバーハンドパスのコツ

また、オーバーハンドパスには、バトンを立てて押し出すように次走者にパスをする「プッシュプレス」とバトンを寝かせて渡す「ダウンスイープ」という渡し方にも分けられます。プッシュプレスではしっかりとバトンを押し込むように、ダウンスイープでは空振りの無いように、バトンを確実に乗せることを意識しなければなりません。

 

また、渡しては加速をしながらバトンをもらう「手」をしっかりと開いて、走りながらでもブレないように腕を高く挙げられるようにする必要があります。

 

 

 

アンダーハンドパス

アンダーハンドパスの特徴

アンダーハンドパスは、受け手が手を低い位置に保ち、渡し手がそこにバトンを「スッと入れる」ようにパスをする方法です。

 

・走りの姿勢を大きく崩さずに、パスができる。
・手のブレが少なく、ミスが小さい。

 

 

アンダーハンドパスのコツ

アンダーハンドパスでは、とにかく「走りの自然なフォームを崩さないこと」を意識して行いましょう。渡すときは握手をするように、スッと手を差し伸べます。

 

関連動画(アンダーハンドパス)

 

 

 

新しいアンダーハンドパス

オーバーハンドパスとアンダーハンドパスの利点を組み合わせた、新しいバトンパスの方法です。走者同士が近づきすぎず、バトンの利得距離を稼ぎつつも、走りの姿勢を大きく崩さないようにアンダーハンドパスを行います。

 

バトンパスの精度をチェックする方法

バトンの40m区間タイムを計測しよう

バトンパスの精度を評価する方法として、バトン区間付近40mのタイム計測が挙げられます。バトンが詰まったり、次走者が遠すぎて減速してしまうとこのタイムは遅くなり、逆に利得距離が十分に稼げ、両者ともに減速の少ないパスワークができれば、この40mタイムは速くなります。

 

 

これにより、前走者のスピード、次走者のスピード、バトンの利得距離を包括的に評価できることになります。40m区間の両端にマーカーを置いて、ビデオで撮影するなどして計測してみましょう。

 

 

参考動画(日本チーム:バトンパス練習風景)

 

バトンパスのトレーニングと注意点

試合時では渡し手が減速局面にあることに注意

バトンパスの実践練習時では、よく渡し手が50m程度の助走からテークオーバーゾーンに侵入する方法が取られます。しかし、実際のレースでは100m近い距離を走ってくることになります。すなわち、渡し手は既に減速局面にあるわけです。

 

 

100m走ってきた後のスピードでバトンパスをするのと、50mの助走によるトップスピードに近いスピードでのバトンパスは、当然「スピードが異なる」わけです。この違いによって重要なレースでバトンミスをしてしまうのは非常にもったいないことだと言えます。なのでバトンパスの練習をする際には、必ず「全区間で通し練習」を事前に行っておくことが重要です。

 

 

「渡す&もらう感覚」を養おう

ジョグでのバトンパス

人によって、バトンを渡す感覚やもらう感覚は異なる場合が多いです。そのため、普段からバトンの受け渡しを行い、その感覚を養っておくことも重要な練習だと判断できます。ウォーミングアップでのジョグを用いたりして、日ごろからバトン感覚を養っておきましょう。

 

速い流しの中でバトンパス

 

 

関連記事(合わせて読みたい!)

・4×100mリレーのオーダー戦略

 

・最適なパス完了位置とは?

 

・落としても戻れば失格にならない?陸上短距離バトンパス、リレー種目のルール

 

参考文献

・陸上競技ルールブック2019(トラック競技).日本陸上競技連盟競技規則第3部.https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/rule/1911.pdf
・土江寛裕(2017)日本男子400mリレー銀メダルへのプロセス―バトンパス精度向上の具体的取組―.スプリント研究26:1-5.

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