~サイト内の関連記事を検索~


足の人差し指が長いほど足が速い?―スプリント力と中足趾節関節の関係―

中足趾節関節とは

 

スプリントパフォーマンス向上において、股関節や膝、足首を伸ばしたり、曲げたりする筋力の重要性は多く知られています。

 

 

しかし、人間の「脚」には、この股関節、膝関節、足関節以外にも関節が存在し、その一つが「足の指の関節」です。

 

 

 

 

 

特に中足趾節関節(足の指の付け根部分の関節)は、接地中に地面を捉え、エネルギーを吸収する役割があると言われています(Bezodisほか,2012)。

 

 

また、その吸収したエネルギーを使って、地面の蹴り出し時のパワーを高める役割も担っており(Baxterほか,2012)、小さな関節ではあるものの、スプリント中の地面への力発揮にしっかり貢献している関節であると言えます。

 

 

 

 

なかでも足の指の中で最も長い、人差し指や親指の関節にかかる負荷は高く(Wangほか,2015)、この指の関節をしっかりと機能させ、強化していくことはスプリント能力を高めるうえで、軽視することはできないでしょう。

 

 

 

足指の長さとスプリント能力の関係

 

Tanakaほか(2017)は、親指と人差し指の中足趾節関節周辺の骨の長さ(足指の長さを含む)とスプリント能力の関係を調べています。

 

 

 

 

この研究において、親指や人差し指の中足骨から末節骨までの長さが、スプリンターと、非スプリンターで異なるか、足の速さと関係するかが検討した結果、スプリンターは非スプリンターと比べて、絶対的にも相対的にも親指、人差し指の骨が長いことが分かりました。

 

 

※Tanakaほか(2017)より、筆者が作成

 

 

 

また、スプリンターを足が速い群と遅い群に分け、足指の骨の長さを比較したところ、速い群の人差し指の骨は、遅い群よりも長い…と言う結果となり、足の人差し指の骨の長さと100m走の自己ベストの間には有意な相関関係がみられています。

 

 

 

 

 

 

※Tanakaほか(2017)より、筆者が作成

 

 

 

 

このことは、足の速いものほど人差し指の骨(特に末節骨)が長いということを示しています。

 

 

 

先述した通り、中足趾関節はスプリントの接地中の地面への力発揮をサポートする重要な関節です。

 

 

 

この時、指を含めた足の前部分が長いほど、地面をしっかりととらえられ、蹴り出し時に大きな力を発揮できるとされており、これが足の速さと足指の長さが関係した理由であるとされています。

 

 

 

しかし、この足指の長さは生まれ持っての才能であると考えるのが妥当ですが、スプリンターと非スプリンターで違いがあったように、長期間に渡ってスプリントトレーニングを行ってきた結果であるとも考えられます。

 

 

骨の成長にはしっかりと負荷がかかるような運動が重要であり、子供の時から足指を動かせる、強い力が出せるように訓練しておくことで、ひょっとしたら足部の構造に変化が出る可能性も否めません。

 

 

 

いずれにしても、指の骨の長さで有利、不利は分かれてしまうものの、足指でしっかりと力が発揮できるように意識をしてトレーニングをすることは重要でしょう。

 

 

 

足指のトレーニング方法

 

足指を機能させるためには、以下のようなツールを用いて、地道に負荷をかけ続けることも有効です。

 

 

よく挙げられるタオルギャザーなどと呼ばれるトレーニングでは、足の指の末端に力が入り、いわゆる「ハンマートゥ」を促してしまう可能性も高いと考えられます。また、タオルをつかむ程度では負荷をかけるのが困難です。

 

 

参考動画(タオルギャザー)

 

 

参考動画(フロッグトレーニング)

 

 

足指の付け根からしっかりと動かす、かつ負荷をかける目的で実施するためには、使えるトレーニングツールだと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

参考文献

・Bezodis, N. E., Salo, A. I., & Trewartha, G. (2012). Modeling the stance leg in two-dimensional analyses of sprinting: inclusion of the MTP joint affects joint kinetics. Journal of applied biomechanics, 28(2), 222-227.

 

・Baxter, J. R., Novack, T. A., Van Werkhoven, H., Pennell, D. R., & Piazza, S. J. (2012). Ankle joint mechanics and foot proportions differ between human sprinters and non-sprinters. Proceedings of the Royal Society of London B: Biological Sciences, 279(1735), 2018-2024.

 

・Wang, Y., Li, Z., Wong, D. W. C., & Zhang, M. (2015). Effects of ankle arthrodesis on biomechanical performance of the entire foot. PloS one, 10(7), e0134340.

 

・Tanaka, T., Suga, T., Otsuka, M., Misaki, J., Miyake, Y., Kudo, S., ...& Isaka, T. (2017). Relationship between the length of the forefoot bones and performance in male sprinters. Scandinavian journal of medicine & science in sports, 27(12), 1673-1680.

 

 




~サイト内の関連記事を検索~