身長に対するピッチが同じくらいなのに、ストライド大きい人の特徴として、蹴りだし時に「足首が返らない」「腿を引き出すタイミングが早い」ことが挙げられます(豊島と桜井,2018)。
接地中に足首がグニャっと曲がり切ってしまうと、その後の蹴りだしにおいて足首が大きく伸び切るような動作になってしまいます。これは、接地した瞬間に足首で大きなパワーを発揮できていないことが原因です。このようになってしまうと、接地中に身体を速く前に進めることができず、一瞬で身体を宙に浮かせることができないので、ストライドが伸びません。
また、蹴りだした後、腿を素早く前に引き付ける動作ができることで、一瞬で身体を宙に浮かせる力を補うことができます。いわゆる「振り子」のようなイメージです(下図参照)。

このような動作ができるようになるためには、特に足首で大きな力を一瞬で発揮できることが重要です。この能力を高めるためには、以下のような足首を瞬間的に使ったジャンプトレーニングなどが有効だと考えられます。
参考動画(アンクルホップ:できるだけ膝が曲がらないようにするのが好ましい)
また、腿を素早く前に引き出すためのトレーニングには、以下のようなものが挙げられます。
マシンヒップフレクション
動画のようなトータルヒップというマシンでトレーニングできます。腿の前の筋肉よりも、脚の付け根部分から動かすことがポイントです。
バンドウエイトヒップフレクション
マシンが無い場合は、台にあおむけになり、膝を挙げる運動を繰り返します。重りを付けるなどして負荷を調整しましょう。30回未満で限界になるように負荷をかける、もしくはスピードを意識して挙げれば、筋量増加にも十分な効果が見込めます。

ハードルサイドステップ
腰が曲がらないように、空中で膝を素早く入れ替えるイメージで行います。足首に重りを巻くなどして負荷調節をします。
このほかに、ミニハードルなどを使って、腿を一瞬で引き出す動作を身に付けるドリルを行うことも効果的でしょう。