では、この滞空時間を減らして上下動の少ない走りができるためにはどのようなトレーニングが必要なのでしょうか?
①股関節周りの筋力を高める
股関節周りの筋肉、特に大臀筋やハムストリング、腸腰筋、内転筋群などの筋力は、ピッチを高めるために重要です。
これらが大きな力を発揮することで、運動方向にブレーキをかけ、素早く動作を切り返すことができるようになります。

ウエイトトレーニングでしっかりと負荷をかけて、筋肉量を増やしたり、筋力を高めておきましょう。
・マシンヒップフレクション
・ノルディック・ハムストリング(ロシアンハム)
・ルーマニアン・デッドリフト
・リバースランジ
②滞空時間が自然と短くなる設定でスプリントを行う
砂浜でスプリントを行うと、地面が柔らかく上手く宙に浮くことができなくなるため、必然的に滞空時間が短くなります。
このような環境でスプリントトレーニングを行えば、短い滞空時間でも動作を切り返せるような筋力や、力発揮のタイミングが身につきます。
スレッドを用いたスプリントトレーニングでも、同様に滞空時間が短くなるため、このようなスキルを身につけるのに有効です。
参考動画(スレッド牽引トレーニング)
③膝や足首の伸展を抑える
地面の蹴り出し時に膝や足首が大きく伸びてしまうと、上に跳ねる動きが強調され、膝も後ろに残りやすくなるため、滞空時間が長く、ピッチの上がらない走りになってしまいます。以下の図のようなイメージです。

平地を走るときは、膝や足首を完全に伸ばし切らないように、地面を熱い鉄板だと思って、接地したらすぐに前に腿を引き出すような意識をしてみても良いかもしれません。