ヒトのエネルギー源(炭水化物、脂質、タンパク質とアデノシン三リン酸:ATP)

ヒトのエネルギー源(炭水化物、脂質、タンパク質とアデノシン三リン酸:ATP)




ヒトのエネルギー源(炭水化物、脂質、タンパク質とアデノシン三リン酸:ATP)

 

 

アデノシン三リン酸とは?

 

ヒトが活動する時に必要になるエネルギーは、全てアデノシン三リン酸(ATP:adenosine triphosphate)から得られています。

 

 

このアデノシン三リン酸は、1つのアデノシンに3つのリン酸が結合しているものです。ここからリン酸が1つ離れる時にエネルギーを発生させ、そのエネルギーを使うことで、ヒトは筋肉を収縮させることができています。

 

 

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しかし、このアデノシン三リン酸は、体内にほんの僅かした蓄えがないため、そのままアデノシン三リン酸を分解し続けるとエネルギーが無くなってしまいます。体内にストックしてある分だけだと、1秒も動き続けられないほどです。

 

 

そのため、別のエネルギー源を使って、アデノシン三リン酸を絶えず作り直す必要が出てきます。その材料となるのが、私たちが食べている「炭水化物や脂質、タンパク質」と言った三大栄養素です。

 

 

 

炭水化物

炭水化物を食べると、それらは吸収されて、体内の肝臓や筋肉、血中に蓄えられます。また、肝臓や筋肉内には「グリコーゲン」として、血中には「グルコース」として、それぞれ違う形で存在しています。

 

 

一般に、体内に蓄えられている炭水化物は筋肉に250g、肝臓に110g、血液中では15g程度だと言われており、エネルギー量に換算すると、おおよそ1500kcal程度になります。ちなみに、持久トレーニングを積むことで筋肉に蓄えられるグリコーゲンの量を大きく増やすこともできます。

 

 

肝臓に蓄えられているグリコーゲンは、必要に応じてグルコースに分解されて、血中に出て行きます。そして、筋肉に取り込まれ、グリコーゲンとして蓄えられるか、もしくは分解されて筋肉のエネルギー、すなわちアデノシン三リン酸を作るために使われます。

 

 

ちなみに、肝臓のグリコーゲンは分解されて血中に出て行きますが、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが血中へ出て行くことはありません。

 

 

 

 

脂質

脂質は、皮下や肝臓、筋肉などにトリグリセリド(中性脂肪)として蓄えられています。また、この脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを持っています。

 

 

よく言われる「お腹に脂肪がついちゃった…」という時の脂肪は、脂肪細胞のことを指しており、脂肪細胞の80%ほどが脂質だと言われています。

 

 

そのため、体重60kgで体脂肪率20%の人は、12000gの脂肪を有し、その中には9600gの脂質があることになります。つまり、9600×9kcal=86400kcalのエネルギー量を蓄えていることになるわけです。

 

 

※脂肪細胞の重さ=脂質の重さではない
お腹に脂肪がついた…という時の脂肪は、その「脂肪細胞」そのもののことを指しています。脂肪細胞には、脂質以外にも水分その他の成分が含まれているため、脂肪細胞1kg=脂質1kgではありません。一般に、脂肪細胞1kgには脂質が80%ほどだと言われています。なので脂肪1kgは800gの脂質を有し、800g×9kcalで約7200kcalのエネルギーを持っている計算になります。

 

 

食事から摂取された脂質は、脂肪細胞でトリグリセリド(中性脂肪)として蓄えられていると言いました。そしてこのトリグリセリドは、血中に放出される時は、グリセロール遊離脂肪酸(free fatty acid)に分解されます。

 

 

そして、この遊離脂肪酸が、アデノシン三リン酸を再合成するためのエネルギー源として使われることになります。

 

 

 

タンパク質

タンパク質は、体内で消化吸収される過程で、アミノ酸という状態に分解されます。

 

このアミノ酸が、アデノシン三リン酸を再合成するために使われることがありますが、炭水化物や脂質と比べると、エネルギーを生み出すためにあまりよく使われているとは言えません。持久的な運動を行なっている時の、全体の約5〜10%のエネルギー量となるようです。

 

 

 

参考文献

・勝田茂, 和田正信, & 松永智. (2015). 入門運動生理学. 杏林書院.
・芳賀脩光, & 大野秀樹. (2003). トレーニング生理学.
・寺田新. (2017). スポーツ栄養学: 科学の基礎から 「なぜ」 にこたえる. 東京大学出版会.
・山本正嘉. (2011).山地啓司, 大築立志, 田中宏暁 (編), スポーツ・運動生理学概説. 昭和出版: 東京.


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