各トレーニング期間ではトレーニングの強度や量を変化させながら徐々に身体を作っていくプロセスを辿ることになります。この、強度と量を掛け算したものが、トレーニングの「負荷」と呼ばれているわけですが、当然、この負荷もトレーニングの時期によって変化させていくことが重要になります。
そして、この負荷の変化のさせ方には大きく2種類あるとされています。これは、「負荷増大の二面性」と呼ばれているものです。

~漸増~
負荷を徐々に増やしていくことです。これによりトレーニングの適応が促され、やがてそれが定着していきます。
そのおかげで、新たな大きな負荷へ移行するための土台が出来上がるといったイメージです。一般的な負荷の増やし方に当たるのはこちらのやり方でしょう。
~急増~
急激に負荷を増やすことで著しいトレーニング効果を生むことができるというものです。この急激な負荷の増加に適応するために、身体の「根本の組み換え」が進みます。
しかし、土台がしっかりできていない状態でこれをやると、トレーニング効果を損なってしまいます。それまでのトレーニングをしっかりと積めていることが前提です。例えば、トレーニングを始めたばかりの初心者が、いきなりハードなトレーニング合宿に参加して、連日トレーニングをこなし続けるようなことをしたら、当然オーバーワークになってしまいます。
一方で、長期的にトレーニングを積んできた選手が、そのような合宿に参加し、普段よりもトレーニング負荷の高い刺激を得ることは、高いパフォーマンスのための土台を強固にするために、有効な手段になり得るというわけです。
それぞれの選手がどのようなトレーニング状況にあるのかをきちんと見極めたうえで、トレーニングの強度・量の調整方法を考える必要があります。