一方で「トレーニングの原則」はトレーニングをやる上で守ると効率が上がることです。
漸進性の原則
いきなりですがこれが、トレーニングの原則の中で最も重要だと言える項目です。死ぬほど大事です。
トレーニングを続けていると、その負荷にどうしても慣れてきてしまいます。慣れてくるということは、悪くとらえると「トレーニング効果が下がっている」ということです。過負荷の原理の説明でもあった通り、「普段と同じ負荷」を与え続けていてはなかなか能力は向上しません。なので自分の能力向上に応じて、負荷のレベルは上げていかないといけないわけです。
そして、逆にこの能力の向上がなければ、負荷を徐々に上げていくこともできません。なので、トレーニングを開始して半年もたっているのに負荷をレベルアップできていなければ、それはトレーニングが上手くいっていないと思った方が良いでしょう。
全面性の原則
全面性の原則は、「競技力向上につながる要素を全面的にトレーニングすべき」ということです。よくある勘違いが「全面性だから、全部位を鍛えないと!」というものです。似ているようで、これらは全く違う考え方です。
例えば足を速くするトレーニングをするとして、「全面性だから全部位鍛えないと!」と勘違いしていると、競技力向上にほぼ関係なさそうな「握力などの前腕の筋力も鍛えるべき!」という理屈にも賛成しなければならなくなってしまいます。
あくまでも、競技力向上につながる要素を全面的に鍛えるのが重要というわけです。400m走ではスピードも持久力も大事だから、どちらか一方だけでなく両方トレーニングしましょうということです。
個別性の原則
個別性の原則は「トレーニング効果には個人差があるから、個人差を考慮したトレーニングにしようね」というものです。「個人差があるね」で終わってはいけません。「個人差を考慮してトレーニングする」のです。
例えば小学生が100mを速く走るトレーニングと、日本トップスプリンターが100m走で日本記録を目指すトレーニングが、同じでいいはずがありません。それは分かるのに、「トップ選手のトレーニングは効果が絶大だ」として認識してしまう、取り挙げられてしまうのが世の常です。
個に応じたトレーニングを第一に、その人自身が強くなれれば手段は何でもよいわけです。
反復性の原則
可逆性の原理でも述べましたが、トレーニングをやめて1年もすれば、大体の身体能力は劇落ちします。体力トレーニングも技術トレーニングも、反復して行いましょう。継続が命です。
意識性の原則
部位や目的を意識するのは、トレーニング計画を立てる段階でも重要であるとともに、その目的をしっかりと把握して今まさにトレーニングに臨んでいるかも重要な意味を持ちます。目的があやふやなままだと、気持ちも入りにくいでしょう。「このトレーニングは~のためにやっているんだ!」という意識があるのとないのとでは、そのトレーニング効果も大きく変わってくるはずです。