しかしながら、その日のうちの次の運動までの間や、翌日のパフォーマンス低下を防ぐ目的で言うと、アイシングや冷水浴は有効に働きます。暖かいお湯と冷たい水に交互に浸かる交代浴も有効です。
ただ運動直前のアイシングは、筋肉が冷えすぎて、爆発的な筋力が必要な運動パフォーマンスを低下させるので避けるべきです。冷やした場合は30分以上の間隔を空けて、ウォーミングアップし直すようにしましょう。
また、アイシングや冷水浴を優先しすぎて肝心の食事が遅れることが無いようにしなければなりません。試合後すぐにリカバリードリンク(糖質やタンパク質を多く含むもの)を飲むなど、リカバリーに必要な栄養素を補給したうえで他のリカバリーに努めます。

※アイシングの方法(Hausswirth & Mujika,2013)

※次の日バリバリ動きたい場合のリカバリー例
このように、特にアイシング、冷水浴などのリカバリーは、短期的なパフォーマンスの低下を防ぐのには適している一方、長期的なトレーニング効果を下げてしまうという一面を持っています。短いスパンでのパフォーマンス低下を防ぐか、長期的なトレーニング効果を促したいかでの「使い分け」が大切です。