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400m走のトレーニング計画(一般的準備期)

400m走のトレーニング計画(一般的準備期)

 

 

400m選手に必要な体力

 

400m選手に必要な体力には、高いスピードを発揮するための筋力、そしてそれを維持するための持久力です。

 

 

したがって、400mスプリンターとしてトレーニングを計画していく時には、まずそれらの土台となる、筋肉量(筋肉の形態)や、持久力に関わるミトコンドリアや毛細血管の量(筋肉の質)を増やしていく作業が重要になります。

 

 

このようなトレーニング期間は、トレーニングの期分けで言うところの「一般的準備期(一般的な体力を中心に高める期間)」にあたるものです。

 

 

 

 

 

筋肉量を増やす

 

筋肉量を増やしていくためには、ある程度負荷をかけた筋力トレーニングを行うのが効率的です。

 

 

ウエイトトレーニングであれば、1回で挙げられる重さ(1RM)の75%以上を目安に、6〜10回を数セット、これを週に2〜3セッション組み込めると良いでしょう。大臀筋やハムストリング、腸腰筋、大腿四頭筋、内転筋群などを中心に鍛えていきます。

 

 

また、坂道ダッシュやスレッド牽引走など、負荷をかけてのスプリントトレーニングも、筋を肥大させ、筋力を高めるのに効果的です。

 

 

 

筋肉のミトコンドリアや毛細血管を増やす

 

筋肉のミトコンドリアや毛細血管を増やすためには、トレーニングでエネルギーを減らし続けるような刺激が必要です。

 

 

また、筋肉には大きなパワーは出せないけど持久力の高い遅筋線維と、大きなパワーが出せるけど、持久力に乏しい速筋線維があります。

 

 

特に高いスピードが求められるロングスプリンターでは、この速筋線維のミトコンドリアや毛細血管を増やしていけることが重要です。

 

 

長時間ジョギングをするような負荷であれば、遅筋線維のミトコンドリアや毛細血管を増やせるような刺激になります。

 

 

対して、呼吸が乱れるような高いスピードで、多量走り込むような刺激は、速筋線維のミトコンドリアや毛細血管を増やします。

 

 

したがって、筋肉のミトコンドリアを増やすためには、上記のような条件を満たしたトレーニングが必要になるわけです。

 

 

 

トレーニング計画例

 

 

まずは週に2日は休養日を作りましょう。肉体的な疲労を確実に抜くだけでなく、多量なトレーニングによる精神的ストレスを軽減するためです。

 

 

また、初心者では筋肉量と持久力のトレーニングを同時に進めていくことがある程度可能です。しかし、上級者やトレーニング歴が長い選手となると、筋力トレーニングと持久トレーニングを同時進行させにくくなります。

 

 

これは、持久トレーニングの刺激が、筋力を高めるためのスイッチをオフにしてしまう、トレーニングの干渉作用によるものです。

 

 

 

関連記事

・干渉作用-持久トレーニングは筋トレ効果を阻害する-

 

・干渉作用の原因―筋力向上させつつ持久力を高められない理由―

 

・干渉作用を最小化する戦略―筋力を高めつつ持久力を高める方法―

 

 

したがって、特にトレーニング歴の長い選手ほど、筋肉量に特化した期間や、持久力に特化した期間と、別個にトレーニングを組み立てていく必要が出てきます。

 

 

 

 

 

トレーニングボリュームが大切

 

筋肉量やミトコンドリア、毛細血管と言った、根本的なエネルギー代謝の基盤を改善させていくためには、多量のトレーニング刺激を、比較的長い期間かけていく必要があります。なので、よりたくさんトレーニング刺激を与えられることが重要です。

 

 

しかし、いきなりトレーニング量を増やしても、回復が追いつかなかったり、怪我を誘発してしまう可能性も高くなります。そのため、トレーニングの総量は徐々に「増やしていける」ことが大切です。

 

 

回復が追いつき、以前よりも多くのトレーニングがこなせる、同じ負荷なのに楽に感じるようになってきたら、トレーニングのボリュームを増やす時だと判断しましょう。筋肉量やミトコンドリア、毛細血管などの「筋形質」改善は、パフォーマンスを大きく向上させるために必須であり、最も集中して時間をかけて、じっくりとトレーニングすべき要素でもあります。

 

 

この期間を怪我なく過ごせることが、翌シーズンの成果を決めると言っても過言ではありません。

 


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