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(ややこしい)角変位、角速度、角加速度とは?

角変位、角速度、角加速度・・・ややこしい

「変位・速度」と「距離・速さ(スピード)」の違いが分からない人へでは、「変位・速度」と「距離・速さ(スピード)」は違うものだということを紹介しました。

 

このことは回転運動にも当てはまります。

 

ここでは、回転運動における「角変位・角速度・角加速度」の正しい解釈について解説していきます。


角距離と角変位の違い

物体が反時計回りに2回半回転したとします。いわゆるフィギュアスケートのダブルアクセルです。

 

この時、1回転は360度なので、2回転半で合計900度回転したことになります。

 

このような合計の回転角度のことを「角距離」と言います。

 

一方、最初の向きと2回転半した時の向きを比べると、半回転分しか差が無いことが分かります。

 

つまり、最初と比べて角度の位置は半回転、180度しか変化していないことになります。

 

この回転前後の角度位置の変化を「角変位」と言うわけです。

 

 

このように、同じ2回転半でも、角距離と角変位は明確な違いがあることが理解できると思います。

 

また、角変位は通常、反時計回りを正(+)の回転、時計回りを負(-)の回転と言い、運動に向きを伴います。

 

したがって、運動に大きさと向きを伴うので、角変位はベクトル量と言うことになります。

 

 

関連記事

・ベクトルとスカラーって何が違うか意味不明な人へ(速さと速度の違い)

 

対して、角距離は方向を持たないスカラー量です。

 

角速度と角スピードの違い

速度と速さ(スピード)の関係と同様に、回転運動にも「角速度」「角スピード」には違いがあります。

 

関連記事

「変位・速度」と「距離・速さ(スピード)」の違いが分からない人へ

 

「角スピードは単位時間あたりの角距離、角速度は単位時間あたりの角変位」です。

 

例えば、物体が2回転半するのに1秒かかったとします。

 

先述の通り、この時の角距離(総回転角度)は900度であるのに対し、角変位(角度位置の変化)は+180度です。

 

角スピードは、単位時間あたりの角距離なので、1秒間で900度、つまり角スピードは900度/sと言うことになります。

 

一方、角速度は単位時間あたりの角変位なので、1秒間で+180度、したがってこの時の角速度は+180度/sです。

 

 

また、角速度も速度と同様に、平均角速度瞬間角速度があります。

 

1秒間に2回転半した物体は、角変位が結局半回転分、つまり180度しかないので、この時の平均角速度は+180度/sとなることに注意しましょう。

 

角加速度とは?

さらに、単位時間あたりの角速度の変化率は、角加速度と呼ばれ、これにも平均角加速度瞬間角加速度があります。

 

角速度が+60.0度/sで回転している物体が、2秒かけて止まった時の平均角加速度を考えてみましょう。

 

この場合、1秒あたり30度ずつ角速度が失われていくことになるので、平均角加速度は-30.0度/s2となるとわけです。

 

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