物体が反時計回りに2回半回転したとします。いわゆるフィギュアスケートのダブルアクセルです。
この時、1回転は360度なので、2回転半で合計900度回転したことになります。
このような合計の回転角度のことを「角距離」と言います。
一方、最初の向きと2回転半した時の向きを比べると、半回転分しか差が無いことが分かります。
つまり、最初と比べて角度の位置は半回転、180度しか変化していないことになります。
この回転前後の角度位置の変化を「角変位」と言うわけです。

このように、同じ2回転半でも、角距離と角変位は明確な違いがあることが理解できると思います。
また、角変位は通常、反時計回りを正(+)の回転、時計回りを負(-)の回転と言い、運動に向きを伴います。
したがって、運動に大きさと向きを伴うので、角変位はベクトル量と言うことになります。
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対して、角距離は方向を持たないスカラー量です。