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【陸上短距離】接地時間を短くするトレーニング

接地時間の短さと足の速さの関係

コチラの内容は、動画で詳しく解説しています(よろしければチャンネル登録お願いします)。

 

 

最大スピードが高いほど、走っているときに足が地面に着いている時間「接地時間」が短くなっていきます。なので、高いスピードで走ることができる人は、接地時間が非常に短いという傾向があります(福田ほか,2013)。

 

 

なので、短い接地時間で走れることは、最大スピードを高めるために非常に重要です。

 

また、この最大スピードは100m走や200m走のタイムと最も関係が強い能力です。つまり、接地時間を短くして最大スピードを高めることは、短距離走の記録を向上させるために避けては通れない道だとも言えるわけです。

 

 

 

接地時間を短くするには?

接地時間を短くしたいなら「その場で高速足踏みしながら」少しずつ前に進んでみましょう。誰でも短い接地時間で走ることができます。

 

しかし、全く速くは走れません。ストライドが狭すぎるからです。

 

なので、まず最初に理解しておくべきは「接地時間を短くしようとして足が遅くなったら意味がない」ということです。

 

接地時間を短くして足が遅くならないためには、ストライドを大幅に犠牲にせずに、接地時間を短縮できることが重要です。というより、足が速くなった結果、接地時間が短くなる・・・と言った方が妥当かもしれません。

 

速く走るためには、身体を超高速で前に移動させながら、身体を一歩一歩宙に浮かせる必要があるので、超短時間でより前方に弾める能力がなければ、身体が弾む前に接地が終わってしまいます。

 

 

そのために必要だと考えられるのが、以下の3点です。

・短い時間で弾める、脚の硬いバネを鍛えること
・腕や腿の素早い振り込み動作を行うこと
・余分な体脂肪を減らすこと

 

短い時間で弾める、脚の硬いバネを鍛える

脚の硬いバネが備わってなかったらどんな走りになる?

脚の硬いバネが備わっていないと、いわゆる接地が間延びした「ベタ足の走り」になってしまうことが考えられます。

 

短い時間で弾むことができないので、接地時間を長くして、弾むための時間を稼がざるを得ないわけです。

 

 

 

脚の硬いバネを鍛える方法

まず、硬いバネを鍛えるためには、それに関わる筋肉量を増やすこと、筋力を高めること、やや短い時間で弾めること、実際の高いスピードで弾めることが重要です。

 

 

 

筋肉量・筋力を高める

筋肉量や基礎筋力を高めるトレーニングには、ウエイトトレーニングが挙げられます。

 

膝や股関節を伸ばす筋力高める、スクワットやデッドリフトなどを基本にすると良いでしょう。筋肉量を増やすなら8―10回程度ギリギリ挙がるくらいの重さ、筋力向上には3-5回程度ギリギリ挙がる高重量でセットを組むと良いでしょう。

 

スクワット

 

デッドリフト

 

 

のちに説明するジャンプトレーニングの効率を上げるためにも、まずは自分の体重の1.5倍、次に体重の2倍の重さが挙げられるようになることを目標にして下さい。

 

 

ジャンプトレーニング

短い時間で弾むためのバネのトレーニングには、ジャンプトレーニングが有効です。

 

ハードルジャンプ

ハードルジャンプでは、腕の振り込み動作を使って、短い時間で高く弾むことを意識しましょう。

 

縄跳び

縄跳びを使って、足首のバネを鍛える方法もあります。これも短い時間でリズミカルに弾むことを意識しましょう。片足で行うことも有効です。その際には、反対側の腰を引き上げるようにしながら行います。

 

バウンディング

上方向だけではなく、前方向に弾むバウンディングでは、腕振りを大きく、反対腿を素早くスイングすることを意識します。慣れないうちは、遅いスピードからやってみると良いでしょう。

 

 

 

 

実際に最大スピードを出すトレーニング

そして、最終的には実際の走りの中で、超短い接地時間を体験させながら鍛えていくことが重要です。

 

その場合、最大スピードがきちんと出せるように、一本一本の間は休息をしっかりとること、最大スピードが出る距離設定にすることが重要です。目安としては50m~80m程度は確保すべきでしょう。レベルが低い選手は短めに、高い選手は長めが良いかもしれません。

 

腕や腿の素早い振り込み動作

腕や腿の振り込みが大切なワケ

ハンマーをもって下に向かってぶんぶん振り子みたいに振っているところを想像してください。ハンマーが勢いよく振り込まれると、脚にグッと力が入ります。この時、地面にもより大きな力が加わっています。

 

 

こんなイメージで、腕や腿の振り子を使うことで、身体を弾ませるための力を地面に伝えることができるようになります。なので、接地している足の硬いバネに頼るだけでなく、腕や腿を素早く振り込むことも、短時間で弾むために使ってあげなければいけないわけです。

 

 

腕や腿の振り込みを鍛える方法

この振り込み動作を素早くするためにも、何度もくどいですが、以下のことが必要だと考えられます。

 


上半身では

・腕を後ろから前に振る(または下に振り下ろして上に引き上げる)、
・前から後ろに引く(または上から下に振り下ろす)

筋肉を鍛えましょう。

 

 

下半身は

・腿を後ろから前に引き出す

筋力が重要です。

 

 

筋肉量・筋力・パワーUP

ベンチプレスや懸垂、アームカールなどで、肘や肩の曲げ伸ばし動作に負荷をかけます。

 

ベンチプレス

 

アームカール

 

懸垂

 

 

パワーを意識した腕立て伏せや、スピードを意識した腕振りトレーニングを行えば、上半身のパワフルさを引き出すことができます。

 

プライオプッシュアップ

 

腿を前に振り込む筋力は、つま先にケトルベルをぶら下げて股関節の曲げる動作に負荷をかけたり、ミニハードルドリルなどで鍛えることが重要です。

 

ヒップフレクション、その他の股関節屈曲トレーニング

 

実際の走りで素早く振り込む

また、ストライドを制限したマーク走などで、実際の走りで腿を前に素早くスイングする能力を鍛えることもできます。

 

マーク走

 

 

乗り込み・振り込みのイメージ

その時の意識の例として、「接地の瞬間に素早く4の字を作ること」が挙げられます。

 

接地してから4の字ではありません。接地の瞬間に4の字です。腕や腿を素早く振り込んで、4の字です。

 

 

なぜなら、4の字を作ろうと意識して、実際に筋肉を動かそうとするまでに時間がかかり、動かそうと意識した瞬間にはもう接地が終わっている…なんてことがあるからです。

 

なので、動作を先取りするように「4の字で接地しようと意識」することで、腿の素早いスイングが自然に起きる…というのが理想です。

 

乗り込みと同時に腕や腿の振り込みを一発で完了させることがポイントです。一つの意識の例として参考にしてみてください。

 

 

マーク走や乗り込み動作、真下接地に関する「??」を解決したい人はコチラ

・「乗り込み」ってそもそも何?誰でもできるの?が知りたい人へ

 

・陸上短距離選手におけるマーク走のやり方と意識、期待できる効果について

 

・陸上競技の走種目における、「真下接地」の意味とその習得方法について

 

 

余分な体脂肪を減らす

太ると遅くなるワケ

仮にめちゃくちゃ頭がデカくなったとします。重いものを浮かせるためには、もっと大きな力が必要なので、この人は普段と同じように走ろうとすると、当然接地時間を長くしたり、足首や膝を伸ばすように使って走らないといけなくなります。

 


実際に重いものを持って走ると接地時間が短くできなくなります。

 

なので、当然おデブになると足遅くなります。太り過ぎには気を付けましょう。

 

 

パフォーマンスを損なわずに、減量する方法についてはコチラ

・陸上短距離、長距離、跳躍選手の減量と実践例(なぜ痩せられない?)

 

 

まとめ

接地時間を短くして足を速くするためには・・・

 

・短い時間で弾める、脚の硬いバネを鍛えること
・腕や腿の素早い振り込み動作を行うこと
・余分な体脂肪を減らすこと

 

これらに応じたトレーニングをやることが有効でしょう。

 

他にもやるべきことはありますが、一つの考え方として、参考にしてみてください。接地時間の限界を突破して、最大スピードを高めましょう!

 

コチラの内容は、動画で詳しく解説しています(よろしければチャンネル登録お願いします)。

 

 

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