解糖系の能力を高めるためには、その名の通り「糖を分解する」能力を高めることが必要です。そのためには、糖の分解がより必要となるトレーニング刺激が重要です。
筋肉には、速筋線維と遅筋線維があり、一般に、糖を分解する能力が高いのは速筋線維です。なので、この速筋線維をいかに動員させるトレーニングをできるかが、解糖系の能力を高めるカギになります。
その代表的なトレーニングとして、スプリントトレーニングが挙げられます。これは、いわゆる数十秒から数分に渡って高い速度で走る運動、ペダリング運動を行うようなトレーニングです。そのようなトレーニングを行うことで、解糖系の酵素活性や解糖能力を高めることができます。
ただ、一概にスプリントトレーニングとい 言えど、数十秒〜数分の高強度運動を単発で行う場合や、数十秒を短い休息を挟んで数回行う方法など、様々なバリエーションがあります。そのバリエーションの数だけ、効果にも違いが出てきます。
また、解糖系の能力が上がると言うことは、それだけ沢山の乳酸が作られて、より乳酸値が高まるはずだと言われていますが、必ずしもそうなるとは限りません。なぜなら、スプリントトレーニングを多量に行えば、乳酸を生成する能力だけでなく、ピルビン酸を処理する能力も高まると考えられるからです。これは、主に速筋線維内のミトコンドリアや毛細血管が増えることで向上します。
※30秒×4-6セットの高強度インターバルトレーニングで、有酸素性の能力に関わるミトコンドリアの増加も期待できる。
乳酸を作る過程でエネルギーを生み出す能力、そして乳酸やピルビン酸を処理することでエネルギーを生み出す能力、どちらも高めることが、トレーニングにおいて重要になると言えるでしょう。
加えて解糖系のパフォーマンスを高めるには、そもそもの糖が十分にあることが必要です。そのためには、食事から十分に炭水化物を摂取して、筋肉や肝臓のグリコーゲン濃度を高めておかなくてはなりません。